一般社団法人 大分学研究会

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11月

第3回 おおいた遺産モニターツアーが開催されました

平成29年10月29日(日)に第3回となるおおいた遺産モニターツアーが開催されました。

今回は玖珠・九重方面のおおいた遺産を巡るツアー、

はじめは玖珠町の「わらべの館」へ行きました。

現地で玖珠町教育委員会の森さんと合流後、最初は同じ敷地内にあります旧久留島氏庭園へ。

こちらの庭園は「藩主御殿庭園」と「栖鳳楼庭園」、「清水御門前庭」の3つから構成されており、

現在、国の名勝に指定されております。

そして、こちらの庭園はここから3つの「国指定」を見ることができます。

もちろん一つは「旧久留島氏庭園」、

残りの二つが史跡で国の指定を受けている「角牟礼城跡」と天然記念物で国の指定を受けている「大岩扇山」になります。

当日は雨だったため、どちらも現地へ行くことはできませんでしたが、一か所で3つの国指定が見れるということで、

こちらの庭園はとても人気があるそうです。

こちらの写真の奥の山が角牟礼城跡があります角埋山になります。

霧がかかってほとんど見えなかったのですが、先ほどの写真の反対を向いた方角が大岩扇山になります。

 

晴れていれば、現在角牟礼城跡にて修復が行われております穴太積みという石垣を見る予定でしたが、

あいにくの雨だったため、わらべの館内にて、角牟礼城跡や久留島氏について、お話を伺いました。

 

角牟礼城の築城に関しましては源為朝が造ったという伝説が残っておりますが、

確実な名前が出てくるのは15世紀ごろの文献からになります。

その頃の玖珠周辺は森氏が納めており、森氏の居城として代々受け継がれていきました。

大友時代の戦乱では薩摩の島津軍が豊後へ攻め入った際、

他の城が次々と落城する中、岡城などとともに生き残った数少ない城の一つでした。

そんな角牟礼城跡が注目されるきっかけとなったのが、前文でも記しました「穴太積み」という石垣になります。

穴太積みとは自然石を積み上げた野面積みの石垣なのですが、滋賀県大津の穴太という地域にいた石工集団である「穴太衆」が手掛けた石垣のことを指します。

さて、代々森氏が納めていた玖珠周辺の森藩ですが、関ケ原の戦い後は愛媛県の伊予から来た久留島氏が藩主となります。そして、久留島氏庭園などが築かれていく、という流れになります。

 

 

こちらでは福岡教育大学名誉教授の清田義雄氏が収集した全国の郷土玩具が展示されておりました。

 

続いては豊後森駅機関庫へ。

こちらの転車台と扇状の機関庫が特徴的なもので、近代化産業遺産に認定されております。

上記写真の中心にあるのが転車台で、こちらに機関車を乗せ、回転をさせていたそうです。

そして、機関庫に等間隔に設置されている柱の間が機関車の格納場所となるため、

転車台で各格納庫の場所まで回してから、機関車を入れていたそうです。

 

豊後森駅機関庫の見学後は玖珠町から九重町へ移動し、昼食会場へ。

今回の昼食は「渓流の味 たなべ」さんにて特製エノハ御膳をいただきました。

 

 

昼食後は色付き始めた紅葉と幾本も流れる滝を眺めらながら九酔渓を通り過ぎ、

次なる目的地である「九重夢大吊橋」へ。

午後になり何とか雨はやんでいたのですが・・・

写真のように、霧がかかった状況でした。

晴れた日であれば、今の時期はきれいな紅葉が大パノラマで広がっているのですが・・・。

何とか合間に吹く風によって見えた滝が下の写真になります。

 

夢大吊橋の後は今回のツアー最後の目的地となる長者原ビジターセンターへ。

こちらには国際的に重要な湿地に関する条約である「ラムサール条約」に登録をされた坊ガツル・タデ原湿原について展示などがされております。

はじめに湿原でおこなわれている野焼きに関する映像を観ました。

映像では今日も野焼きを続ける理由について説明がされておりました。

くじゅう山群の人々にとって、その生活は牛や馬が農業の動力として重要な役割を占めていました。

その牛や馬を放牧するためにも、草原というものが必要不可欠となります。

もし、草原に人の手が入らない(野焼きをしない)状況になると、

みるみる木が生い茂り、森林となってしまいます。

そうなった場合は牛や馬の放牧がおこなえなくなってしまうため、野焼きによって草原を保ってきました。

農業に機械が取り入れられる前は、日本もいろんな所で野焼きがおこなわれていましたが、

現在は農業の機械化が進み、野焼きをやる地域も減少しているそうです。

そうした中でも、こちらの湿原が野焼きを続けるのには、今の生態系を守るため、という理由があります。

例えば「ヒゴタイ」という日本ではくじゅうをはじめ一部の地域でした生育していない植物がありますが、

こちらは中国などの大陸に生育する植物になります。大昔に大陸と日本が繋がっていたという貴重な情報を持った植物であります。こういった、くじゅう独特の生態系を守るため、現在も野焼きによる保全がおこなわれているそうです。

 

さて、こうした保全活動の一つで現在問題となっているのが、特定外来生物の存在です。

タデ原湿原でも「オオハンゴンソウ」などの生育が確認されており、職員の皆さんや地域の方、ボランティアの方の手によって、現在駆除活動がおこなわれているそうですが、それでも手が足りていない状況とのことです。

もとは観賞などの目的で海外から輸入された動植物が、本来いる生物たちの生態系を壊してしまうという状況に、現在は外来生物法という法によって、栽培や飼育・運搬・保管が禁止されており、違反をすると罰則があるとのことです。

もし、特定外来生物に指定されている動植物を見かけた場合は、拡散を防ぐために適切な処理方法をおこなう必要があるそうなので、皆様もお気を付けください。

 

最後は小雨でしたが、タデ原湿原を少し歩きました。

今回は入り口まででしたが、晴れた日はウォーキングコースを歩き、様々な植物や昆虫を眺めることができます。

また、花の見どころは5月から9月ということでしたが、

冬から春にかけては上記しました野焼きがおこなわれたりします。

くじゅうの言葉で「春は黒」という言葉があるそうですが、こちらは野焼きで黒くなった山を示しているとのことです。

 

 

今回のモニターツアーでは玖珠・九重方面を巡りましたが、一部天候に泣かされる場面もありました。

晴れた日であれば、紅葉も色づく今は、まさに観光に適した季節だと思いますので、

皆様も是非、これからの季節の玖珠・九重を楽しまれてください。

 

 

さて、次回のモニターツアーは年内最後になりますが、12月17日に毛利空桑を中心とした大分市内のツアーを計画しております。

詳細につきましては11月25日の大分学研究会例会にて発表いたします。

また、25日の例会は11月3日におこなわれます「第5回しんけん大分学検定」の表彰や、

その際におこないます「大分学検定イメージキャラクター選挙」の結果発表などもおこなう予定となっております。