一般社団法人 大分学研究会

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05月

大分学研究会第30回例会が開催されました

大分学研究会第30回例会が平成28年5月28日(土)大分県立図書館視聴覚室ホールにて行われました。

今回の例会テーマ「地域資源の保全活動を通じた”持続可能な地域づくり”を考える」のもと

基調発表を「世界発信の仕組み”祖母傾ユネスコエコパーク”登録をめざして」とし、

杉浦嘉雄会員(日本文理大学教授、祖母傾ユネスコエコパーク推進協議会会長)より

ユネスコエコパーク登録の意義や登録に向けての取り組みを生物多様性のお話も交えて発表がありました。

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世界自然遺産とユネスコエコパークの違いとは?

対象エリアの「自然」の保護・保全に努めるのが世界自然遺産であるのに対して、

ユネスコエコパークは生物圏保存地域を地球上に確保する、そして「自然」とそこに住む「人」との共生を目的とするところに大きな違いがあるそうです。

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祖母傾山系は尖峰や渓谷が多く、原生的な自然が残っており、希少性の高い動植物が特徴で、自然を敬う文化が継承されている地域であることから、

この祖母傾山系も登録を目指して地元の方、特に小学校の授業の一環で取り組みをはじめ、親世代、おじいちゃんおばあちゃん世代を通じて積極的に活動されているとのことでした。

 

関連発表は「野鳥たちと神崎海岸(大分市)の持続可能な地域づくり」と題して

中村茂会員より礫岸が特徴の神崎海岸での野鳥調査の取り組みや、ウミガメの産卵場所となっている海岸での地域住民による取り組みを紹介してくださいました。

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渡り鳥の飛来ルートに位置するここの海岸で野鳥を観察するのもいいですね。

そして、ウミガメまつりやキャンドルナイト、バーベキューガーデン、海水浴、

楽しんだ後は後片付けやお掃除も忘れずに。

持続可能な地域づくりはそんな心がけから始まるのではないでしょうか。

 

 

 

 

第22回おおいた魅力体験ツアーが開催されました

 平成28年5月15日に「第22回おおいた魅力体験ツアー」が開催されました。今回は「姫島にアサギマダラを訪ねて」というテーマで姫島村を訪れました。

 姫島村は国東半島の東に位置する人口約2000人の島で、「姫島七不思議」や「ジオパーク」、そして今回のテーマである「アサギマダラ」など様々な魅力があふれる場所です。今回は、大分県庁の恒賀健太郎会員のご案内のもと姫島の魅力を堪能するツアーとなりました。

 国東半島の伊美港よりフェリーに乗船し、いざ姫島を目指します。天気にも恵まれ、潮風が気持ちよかったです。

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 島に到着後、「アサギマダラ」の休息地である「みつけ海岸」に向かいました。「アサギマダラ」は過ごしやすい環境を求めて、季節ごとに約2000kmを旅する渡り蝶です。蝶の羽に捕獲した場所と日付を記載して放ち、別の場所で再捕獲することで、生態を把握する「マーキング」と呼ばれる調査により、北は北海道や樺太、南は鹿児島の奄美大島や台湾まで、移動をしていることが分かっています。姫島はその旅の休息地として、5・6月頃と10・11月頃の年2回多くのアサギマダラが飛来します。しかも、5・6月頃は、海岸沿いに植生する「スナビキソウ」、10・11月頃は山中に植生する「フジバカマ」にと季節により違う植物の蜜を吸う習性があります。今回は、みつけ海岸に植生する「スナビキソウ」に集まったアサギマダラを鑑賞しました。「スナビキソウ」は毒性をもつ植物で、生殖活動のためアサギマダラは毒性があるスナビキソウの蜜を吸うそうです。ちなみに「マダラ」とは「毒」を表す言葉だそうです。また、姫島が「スナビキソウ」の植生の日本の南端に位置するため、多くのアサギマダラが姫島に飛来するのではないかと考えられています。

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 みつけ海岸から「姫島七不思議」のひとつ、満潮時でも海に沈まない「浮洲」も見ることができました。

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 バスで移動しながら、車中より「姫島七不思議」の「逆柳」と「かねつけ石」を見学しつつ、同じ七不思議のひとつ「拍子水」温泉に到着しました。「拍子水」は、かつて姫島の由来ともされるお姫様「比女語曽の神」がお歯黒をつけた後、口をゆすぐ水がなかったので、手拍子を打って祈ったところ、岩の間から水が湧いてきたとされています。湧き上がっている「拍子水」は24.9℃の炭酸泉で、飲用することができます。

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 「拍子水」のすぐそばの崖には、姫島の特徴である縞模様の岩壁があり、見学することができます。溶岩が固まり岩になる際に、粘性が強いとこのような縞模様が形成されるそうです。

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 拍子水を出発し、海岸沿いを移動すると姫島の地層が分かる「大海のコンボリュートラミナ」に到着しました。この層内褶曲は、火山活動や地震等による振動で、上下の硬い地層に挟まれた軟弱な堆積物中の水が液状化現象により排出され、地層内部の構造が複雑に変形してできたと考えられています。また、地震で生じた断層なども確認さることができ、姫島の「島」の成り立ちを感じることができました。

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 露出した地層をを見学しながら徒歩で移動すると「鷹の巣」と呼ばれるボコボコと穴の空いた「海蝕崖」に到着しました。雨水や海の波などで浸蝕されてできた崖面で、現在この穴に「ハヤブサ」が巣をつくってるとのことで、皆でハヤブサを探しましたが、残念ながら発見することができませんでした。しかし、鳴き声は聞くことができ、ハヤブサの存在を感じることができました。

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 バスで移動し、昼食会場の「ロッジ姫島」さんに到着しました。昼食は姫島の特産品の「車エビ」御膳。車エビのしゃぶしゃぶをはじめ、エビフライや塩焼きなど車エビづくしの豪華な昼食となりました。また、姫島村村長 藤本昭夫村長より「地だこ」の差し入れをご提供いただき、ゆでだこを堪能しました。

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 昼食後は、観音崎火口跡とその先にある姫島七不思議のひとつ「仙人堂」がある観音崎を目指し、トレッキングをおこないました。観音崎火口跡はもともと火口だったところが現在では海に沈んでいる場所です。また、この場所から奥の夫婦岩ごしに見える瀬戸内海は、幕末の下関戦争の際に、伊藤博文や勝海舟らが集結したイギリス・フランス・オランダ・アメリカの四か国連合艦隊を望んだ場所でもあります。ちなみに、夫婦岩には、現在猛禽類の「ミサゴ」が巣を作っており、ミサゴの家族を見学することができました。

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 展望台を抜けると、馬頭観音像を祀る「仙人堂」がある観音崎に到着しました。この周辺は、国の天然記念物に指定されいる姫島産の「黒曜石」が囲んでいます。かつて石器として使用されていた姫島産の「黒曜石」は、特徴として乳白色で中に「ガーネット(ザクロ石)」を含んでいるとのことで、黒曜石の中にあるガーネットを探しました。針の先ほどのガーネットの粒でしたが、見つけることができました。

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 最後に、自民党副総裁を務めた姫島村出身の西村英一先生の記念碑がある西村記念公園を訪ねました。記念碑の碑文は元総理大臣 田中角栄先生が描かれたもので、造立際には、クレーン2台で立てたとされる大変大きなものでした。

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 今回のツアーでは、姫島の自然と歴史を学ぶことでき、姫島の魅力を堪能しました。姫島村 藤本昭夫 村長をはじめ、ご案内いただいた恒賀健太郎会員ならびに、ご協力いただいた姫島村の皆様に心より御礼申し上げます。

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